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英語の学び直しは何から?——社会人のための優先順位
·AIで英語 編集部
英語の学び直しは、何から始めればいいのか。最初の一手は、勉強ではなく現在地の測定です。 文法書も単語帳もアプリも、それ自体が悪いわけではありません。問題は、自分に何が足りないのかを知らないまま順番を決めてしまうことです。音が聞き取れないのか、語彙が足りないのか、知識が使える形になっていないのか。原因が違えば、効く打ち手も違います。同じ半年でも、順番が合っていれば残るものが変わります。順番を決める材料は、目的・現在地・ボトルネックの3つです。
週末に本屋へ行って、分厚い総合英文法書を買った。平日の夜に10ページずつ進めて、3週目でようやく第2章。手は動いているのに、来月の海外拠点との会議で自分が発言できる気は、まったくしない——。この記事では、学び直しの最初の一歩がずれてしまう理由を解説し、目的から逆算して順番を決める方法を紹介します。
なぜ「学校でやった順」に戻ってしまうのか
学び直しを始めるとき、多くの人は文法から入ります。次に単語、その次に読解。これは学校で英語を習った順序です。私たちは再開するとき、無意識にこの手順を呼び出しています。
理由は単純です。それ以外の手順を教わっていないからです。加えて、文法書には「1ページ目」がはっきりある。単語帳にもある。始める場所が目に見えるので、着手しやすい。一方で、話すことや聞くことには、めくれば始まる1ページ目がありません。だから、始めやすいほうから始まります。努力不足ではなく、入口の設計の問題です。
ただし、学校の順序が間違っているわけではありません。あの順序は「英文を読んで正確に理解する」ことをゴールに置いて設計されていました。あなたの目的が同じなら、同じ順序で構いません。目的が違うなら、順序も変わります。
目的から逆算すると、順番は入れ替わる
大人が英語をやり直す動機は、たいてい具体的です。会議で自分の担当分を説明したい。出張先の雑談で黙りたくない。動画を字幕なしで見たい。並べてみると、多くが話すことと聞くことに寄っています。
ここで必要になるのは、文法知識を網羅することではありません。限られた語彙と構文を、その場の速度で運用することです。網羅と運用は、必要な練習が違います。
CEFR(Council of Europe, 2001)は、語学力を「〜ができる」というcan-do記述の集まりとして、しかも技能別に記述します。読むのはできるが話すのは苦しい、という状態を、欠陥ではなく一つのプロフィールとして扱えるのが利点です。技能ごとに現在地が違うのなら、投じる時間も技能ごとに違って当然です(CEFRとは何か)。
やることは一つ。目的をcan-do文に書き換えることです。「英語を話せるようになりたい」ではなく「30秒で自分の担当業務を説明できる」。粒度が下がると、必要な練習が自動的に絞られます。
知っているのに出てこない——手続き化の壁
学び直しの相談で最も多いのが、「文法は一通りやったのに、口から出てこない」という状態です。これは知識が足りないのではありません。知識の形が違います。
Anderson(1982)は、技能の習得を、事実として知っている宣言的知識から、意識せずに実行できる手続き的知識へ移っていく過程として説明しました。DeKeyser(2007)は、この枠組みを第二言語の学習に当て、知識が使える形になるには練習という段階が必要だと論じています。
つまり、関係代名詞の用法を説明できることと、会話の途中で関係代名詞を使って文を組み立てられることは、別々の状態です。文法書をもう1周しても、増えるのは前者のほうです。ここがボトルネックなら、必要なのは新しい知識ではなく、持っている知識を口に通す反復です(瞬間英作文と手続き化)。
一方、原因が音の側にあるなら、この練習では届きません。単語も文法も分かっているのに聞き取れないのは、また別の問題です。だから最初に切り分けるのです。
まず、現在地を測るところから
学び直しの最初の一歩は、参考書を選ぶことではありません。距離を測ることです。どこにいるか分からないまま歩き出すと、進んでいるのか遠回りしているのかも分かりません。
「AIで英語」には無料のレベル診断があります。5分ほどの回答で、CEFRに沿って技能別の現在地を出します。読む・聞く・話すのどこが先に効くのかが分かれば、そのあとの毎日のメニューはAIが弱点に合わせて組み立てます(無料診断でわかること)。
順番を間違えるのは、能力の問題ではありません。地図を持たずに歩き出しただけです。測るのは5分で済みます。そこから決めても、遅くはありません。
参考文献: Anderson, J. R. (1982). Acquisition of cognitive skill. Psychological Review, 89(4), 369-406. / DeKeyser, R. (2007). Practice in a Second Language. Cambridge University Press. / Council of Europe (2001). Common European Framework of Reference for Languages. Cambridge University Press.